らせん式日記・215  「月下事変の夏」を見に行く

舞踏家であり、ギャラリストでもある友人、
香月人美のプライベートコレクションを展示した「月下事変の夏」。
その最終日に、彼女の好きなワインを携えて、
目黒にある会場を訪ねました。

福岡~京都~東京と大胆に空間移動しながら芸術をつきつめる過程で
彼女が私財を投じて集めてきた作品のその多さに、
私は度肝を抜かれました。
こうやって彼女は走ってきたのだと。

ギャラリストとしての20年の道筋をたどる作品のなかで、
一番彼女の「今」を象徴しているのが、この作品だと
私は思います。

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横尾忠則の『胡蝶の夢』。(写真は、細江英公)

奥が先日103歳で亡くなった舞踏家の大野一雄
手前がその息子であり同じく舞踏家の大野慶人。
彼女はこの2人の弟子であるのです。

大野一雄の舞踏は、
私も95年にジャカルタで見ることができました。
細部はよく覚えていませんが、
非常に内的な世界を細やかに表現していたことと、
老齢のために歩行さえ困難でも踊るのだ!
という衝撃はとてもよく覚えています。

奇しくも、今夜の芸術劇場(NHK教育・23:00~)は、
大野一雄の特集です。
大野一雄から大野慶人へ、そして大野慶人から友人が
引き継ごうとしている何かをつかまえることができたら・・・と思っています。
by emispiral | 2010-08-13 15:26 | らせん式日記

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