水戸 恵藍舎だより


by emispiral

開生塾のこと ~2016年度の終わりに

2016年度が間もなく終わろうとしています。

2002年から『土曜クラス』・『自遊学校』と続いてきた恵藍舎の子どもの学び場を5年間休んだのち、『開生塾』として再スタートして1年半がたちました。小学校の勤務と並行した形だったのであまり多くは開けなかったのですが、学校でも学習塾でもない、自分らしさを育てる場所としてゆっくり進んでこれたように感じています。

私は中学校で5年、小学校で断続的に10年教えてきた経験がありますが、学校で地域の友達と集団で学ぶよさを感じつつも、大人数にいっぺんに教えるとなるとやはりどうしても「効率」という部分が出てくるのを知っています。そのため、発達障害だったり、いろいろな要因で心が弱っていたり、何かにすごい才能があると感じたりしてもっと丁寧に時間をかけてあげたいと思う子どもがいたとしても、教師1人の費やせる時間とエネルギーは限られてしまうのです。

自分が教師として目指すのは均質な大人を大量に育てることではなく、子どもの魂が生き生きとそしてのびのびとして、自分らしい幸せな一生を送れるような後押しをすることです。その思いを実現するために、2000年に恵藍舎を始め、個別のクラスや『土曜クラス』『自遊学校』などで、さまざまな教育の形を模索してきました。現在の子ども向けの学びの場である『開生塾』では、幸福感を左右する「自分で考えて行動する力」が強まるように導いたり、ひとりひとりの適性を見い出して道をつけたり、さまざまな年齢層の子どもたち同士がかかわること(もちろんインクルーシブに!)で対人スキルを育てたり・・・そんな「目には見えないけれど、人としての成長の本質的なところ」に働きかけています。(それゆえ、何をしているのかよく分からないと思われてしまうようですが。笑)

例えば、学校と塾と習い事に追われて、本当は何がしたいのか分からなくなっている子どもには、まず「しなくてはならないことが何もない」時間が必要です。もし開生塾に来たら、「今、この部屋にあるもので、何がしたい?」と聞きます。朝から晩までやるべきことが次々に迫ってくる毎日を送っている子どもからは、すぐには答えは返ってきません。「粘土がしたい」「太鼓をたたきたい」「黒板に絵を描きたい」・・・そうやって少しずつ自分で決め、おうちの人と約束した時間をクリエイティブに過ごすようになってきます。子どもが宿題を手伝ってほしいと望めば、もちろんそれも手伝います。夏休みは、絵のアドバイスもします。(強制は全くしません。)おうちの人と自分がやると決めてきたことをやり終えて、「さあ、残った自由な時間は何をしよう?」、その積み重ねをしながら何度も会っているうちに、その子が内にもっている「ギフト」が見えてくるんですよ。そうしたら、その「ギフト」にもっとエネルギーを注げるように作戦開始です。絵をもっと描くようにすすめたり、英会話教室に通うようにすすめたり。。。

そんなわけで開生塾では、例えば「算数の成績が上がった!」というたぐいの速攻&明確な結果がすぐには目に見えないかもしれません。それなのにもかかわらず、「子どもの教育」というものを大きな目でとらえ、開生塾にお子さんを通わせてくださっている保護者のみなさまがいます。そのみなさま方と子どもたちに支えられて、間もなく2016年度を無事に終えることができそうです。本当にありがたいことです。

さて、2017年度の開生塾は、実験的なワークショップを少しずつ企画していこうと思っています。アートをはじめ、いろいろなジャンルで、という計画です。そして私個人の目標は、語学の強化! 英語とインドネシア語をブラッシュアップしていきます。あとオランダ語も、久しぶりに少し。子どもたちの前に立つ身としては、いくつになっても喜々として学び続ける自分でありたいと思っています。来年度もどうぞよろしくお願いします。



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by emispiral | 2017-03-29 18:37 | 開生塾