水戸 恵藍舎だより


by emispiral

野焼きワークショップを終えて・1

 みなさん、ご無沙汰しました! 今日からまた頻繁にアップして行きますので、どうぞよろしくお願いします。さてだいぶ前のこととなりましたが、11月12日(土)に笠間市で行った野焼きワークショップのことを書きます。
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 私たちの毎日の暮らしの中で、リアルな火というものと触れることがなくなって久しくなります。ガスコンロや石油ストーブといった間接的な火とともにはあるけれど、どこか本質的な火とは遠い感じ。便利さを追求する中で見失っているリアルな火の存在感というものと出合う、そんな一日であったらと思いました。
 
 まず、火の近くに陶器を置いて、ゆっくりと暖めます。少し離れていても、その暖かさは空気をつたって伝わるんですね。
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 暖まってきたら、少しずつ距離を縮めていきます。土が火に寄り添っていくと、互いの温度がだんだん近くなります。
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 そんな中、手持ち無沙汰な様子の子どもたちに、「子ども焚き火」を提案しました。なかなか火がつかず、子どもたちはあの手この手で悪戦苦闘。見ている私は、「こうやればいいのに!」と思っても、その言葉をぐっと飲み込んで子どもたちの奇想天外なアイディアを面白おかしく見ていました。それでも、ちょっとだけ手を出してしまったら、とたんに「大人はやらないで!」と怒られてしまって・・・。そうそう、火がつくかどうかは二の次。それより、いろいろ考えてあれこれやってみることが大事なのです。そうやって、自分で考えてやってみようと思えること、これこそ私がいつも子どもたちに育てていって欲しいと思っている力のひとつです。
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 彼らが試行錯誤する姿を見ているのは、本当にうれしかったです。もちろん、「子ども焚き火」は、点いたり消えたりしながら、最後にはちゃんと大きな炎になりました! 


 一方、陶器の方はますます火と近くなって、手ではさわれないくらいに熱くなりました。そうして炎によって様々な色に変化していきます。
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 火によってじっくりと土が変容していくプロセスは、ただ見ているだけで深く心動かされる感じがしました。
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 最後に薪をかぶせて、陶器を大きな炎で包みます。陶器と火とが一体となり、ゆっくりと暖めてきたものが一気に化学反応を起こして、別のものに変容する瞬間。
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 そうしてすべてのプロセスを経た陶器を、空気の中でゆっくりと冷ましていきます。これは高野さんの作品。火のプロセスを通り抜けたあとは、まるで魂が入ったみたいに存在感を増しています。
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 火の力、それは人間の深い意識の部分、もしくは魂と呼ばれるような領域にダイレクトに結びついているような気がしました。本物の火に触れることによって、私たちは深いところに眠っている自分とアクセスすることができるのかもしれません。火と出合う1日を過ごす間に、私はそんなことを考えていました。

 最後に、陶芸家の高野利明さん、奥様の根本比奈子さん、参加してくださったみなさん、どうもありがとうございました。
 
 
Commented by 山本隆久 at 2005-12-06 22:27 x
 学部のころ考古学研究会にいて、発掘現場でよく働いていたため、落第しそうになりました。
野焼きはやったことはありませんが、なんだか懐かしく思い出しました。
Commented by ようかん at 2005-12-07 00:20 x
待ってました!
忙しい毎日だったのかな、なかなかアップされてないので、どうしたのかなあと思ってました。
野焼き、楽しそう。
火もとってもきれいですね。
Commented by emispiral at 2005-12-07 15:56
★山本隆久さん 
学生時代に考古学研究会にいらしたとは、びっくりしました。
きっとたくさんの土器に出合ったんでしょうね。

★ようかんさん
見に来てくれてたんですね。ご心配をおかけしました!
野焼き、本当に楽しかったです。
火を見ているだけでも幸せな気分になっちゃいます。
by emispiral | 2005-12-06 10:55 | ワークショップ | Comments(3)