らせん式日記・90  シンポジウムに参加

 先週の週日は、脱水症状に始まって、熱が上がり、ほぼ寝たきりで過ごしていました。週末にはなんとか回復したので、昨日「環太平洋国際シンポジウム~未来の子どもたちに、今私たちが伝えたいこと」(広尾・聖心女子大学)へ。環太平洋エリアで、ホリスティックな教育活動をしている10人の外国人教育者・教育行政にかかわる人の事例紹介を中心に、興味深いメッセージをたくさん受け取ってきました。

 とりわけその中でも、発表者によって披露されたフィジーやナバホ族の伝承歌は素晴らしく、そのスピリットに心が震えました。その土地土地にある「本当のもの」、そして資本主義に基づいた価値観(競争原理)でない「真実」を子どもたちに伝えていくことがどんなに大切か、改めて実感。

 このシンポジウムのもうひとつの収穫は、これまでの長い道のりの要所要所でいろんな学びをくださった方々に再会できたこと。ホリスティック教育協会代表の吉田敦彦先生(大阪府立大学)、フォーラムスリーの佐藤雅史さん、数年前水戸にウテ・クレーマーさんを招いたときに通訳をしてくださった小貫大輔さん(昨年ブラジルから帰国し、東海大学で教えているそう)。なつかしく、ありがたく、なんだかいろんなところを経由して、ひとめぐりしたんだなあという気分でした。

 自分の中で、子どもたちの存在を「ボディ・マインド・スピリット」の側面から見て、全人的に(ホリスティックに)接していくというのは、自分スタイルの教育現場を持てるようになってからはもう当たり前になっているけれど、改めて学術的な文脈の中で語られる「ホリスティック教育・永続可能な開発のための教育」と出合い直してみて、とても新鮮な感じがしました。「きれいに整えて伝える」ということも、本当に大事な側面です。けれど自分はどうかというと、もっと若い頃は多分にあった「自分のやっていることを人に知ってほしい」という欲求、それが今ではもうどこかどうでもよくなっていて、それよりむしろ日々接している子どもたちがどう育っていくかの方が私にとってはとても大事なんだなあということも、再確認できたような気がしました。本当に行ってよかった。

 
by emispiral | 2007-08-06 15:39 | らせん式日記

水戸 恵藍舎だより


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