秋のアートのお仕事

 この秋は、アート関係の出張講座が3つありました。それぞれ3人のオーガナイザーの方からお声をかけていただいたのですが、そうやってさまざまな場所で、さまざまな方を対象にした講座やワークショップをさせていただけることは、私自身にとって本当に勉強になり、有難いことだなあと思っています。

 1つ目は、S町保健センターでのデイケア。担当の方からのリクエストで、ろうそく作りをしました。簡単にかわいいろうそくができるので、デイケアを受けに来た方たちは楽しそうに取り組んでいらして、とってもうれしかったです。その上、事前に渡しておいたサンプルを見て、他の職員の方たちも興味をもってくださったようで、わいわいとにぎやかなクラスになりました。

 2つ目は、社団法人・いはらき思春期保健協会の主催する「児童思春期精神保健講座」(鹿嶋市)。その中の、各種療法を体験するためのワークショップに、箱庭療法・作業療法・カラーセラピーと共に、アートセラピーの体験ワークショップの担当として参加しました。

 こちらは体育館を4つの空間に仕切って、それぞれの療法を自由に体験するという形式。次から次へと参加希望の方がおいでになる中で、短いワーク(パステルを使ったワーク)を体験していただくというようなスタイルは初めてで、あまり予想がつかなかったのですが、参加された30名ほどの方々からうれしいフィードバックをいただいて、たいへん励みになりました。

 3つ目は、二の宮ハウス(つくば市・外国人研究者のためのレジデンス)での、和風クリスマスカード&年賀状作りの講座。参加者は全員外国人(中国人、韓国人、イタリア人、シンガポール人、ロシア人・・・)で、英語での講座です。

 まずは書道の基本の筆遣いを練習し、それから「賀正」「迎春」「とら」といった、年賀状によく使われる言葉を書きました。中国は漢字の本家本元ですから、中国の方たちに書道を教えるなんて・・・と思っていたのですが、当日お会いしてみると、「書道は小学校の時に数回やっただけ。うわ~なつかしい!」といった感じで、筆遣いは心もとなく、字はたどたどしく、、驚きました。この感じは、柔道をやっている外国の人が、柔道を全くやったことのない日本人を見るときの感じに近いのでしょうか・・・。(少しずれているかもしれませんが。笑)

 それにしても、毛筆に慣れていない東アジアの方も、漢字を全く知らないヨーロッパの方も、ビギナーズラックというか何と言うか、非常に味のある字を書かれるのですよね。「こういう字がうまい字」という刷り込みがされている日本人には、なかなか書けない字です。しかもこちらがストップをかけなければ、黙々と書き続けているという次第で。

 練習の後は、実際にカードを作ったり、書いたりする時間。和紙、千代紙、水引、スタンプなどを使って自由にクリスマスカードや年賀状を作ってもらいました。素材の組み合わせ方も、これまたユニークで、素敵なカードがたくさんできていたし、みなさんもとても満足そうだったので、私もとてもうれしかったです。

 二の宮ハウスでの英語でのお仕事は、「これを英語でどういうふうに言うか」と考えるよい機会にもなっているというのが、本当に有難いことです。分からないところを解決するために、だいたいは英会話の個人授業を受けて、フレーズを暗記するしたりするのですが、そのプロセスが生みの苦しみでもあり、とっても楽しくもあるのです。来年早々には親子のワークショップを企画していただいているので、この楽しみはまだ続きます。
 
by emispiral | 2009-12-09 17:20 | アートセラピー&アートワーク

水戸 恵藍舎だより


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