らせん式日記・170  多摩御陵

らせん式日記・170  多摩御陵_c0030327_14121388.jpg 八王子に用事があったので、前からちょっと気になっていた多摩御陵(こちらは通称で、正式には武蔵陵墓地)まで足を伸ばしました。ここには大正天皇・貞明皇后陵・昭和天皇・香淳皇后陵の4陵が造営されています。

 奈良に行くと、天皇の陵墓や古墳などをよく訪れるのですが、近現代ではどのような様式になっているのかなあと私は常々思っていました。もちろん調べれば分かることですが、やはり空気感というのは写真や説明では伝わりませんからね。

 そして実際に足を運んでみて思ったのは、これぞ日本のスタイル!さすが!・・・ということです。杜を懐に抱く広大な敷地に、無駄なものをそぎ落としたシンプルな上円下方墳。突き抜けるようなすがすがしさと、清らかな空気感、「空」であるがゆえの満たされている感じ・・・。感覚的には伊勢神宮の内宮に雰囲気がよく似ていました。

 それでちょっと思い出したのは、ロンドンのウェストミンスター寺院。あそこには歴代国王やシェークスピアなどの著名人たちが、部屋の中でむき出しになった石棺の中で眠っています。暗く、じめじめした感じでだんだんいたたまれなくなってきたのを今でも覚えています。やはり根っこのところが日本と西洋では大きく違っているのですよね。

 昭和天皇に関してはいろいろな見方がありますが、激動の日本を見守っていらした方ということには違いありません。今回多摩陵墓に参拝できたこと、とてもうれしく思いました。
by emispiral | 2010-02-02 14:46 | らせん式日記

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