らせん式日記・86  音楽研究授業を終えて

 昨日、関東ブロック音楽研究大会茨城大会が、水戸市内の笠原小学校・水戸教育総合研究所・県民文化センター大ホールを会場にして開催されました。関東甲信越から何百人もの小中学校の先生方が集まって、研究授業・研究事例発表・研究演奏・討議などをするというもの。前にも少し書きましたが、私は双葉台小学校で1年生を担任する川島先生の授業のお手伝いで、ピアノを弾きに行ってきました。

 私の役どころは、「おむすびころりん」の音楽劇を作っていくプロセスで、ピアノの伴奏と効果音を即興的に付けていくということ。おむすびの転がる音や、小判がざくざく振ってくる音などを子どもたちの動きに合わせて入れていきます。

 この日、1年生の子どもたちとは初対面。また川島先生とは、台本を見ながら簡単な打ち合わせをしただけだったので、本番にどんなことが起きるのかな?とずっと楽しみにしていました。それで私の方も曲を譜面に落とさずに、そのときに湧き上がってくる音を素直に弾こうという気持ちで臨んだのでした。

 授業を終えてみて、やっぱりライブ感のある授業はいいなあと思いました。瞬間瞬間の子どもたちと向き合い、一緒に授業を作り上げていくということがより多く感じられるからです。普通、研究授業というと、指導案で計画されたとおりにそのまま授業をするというものが多いのにもかかわらず、このライブ感を大事に研究授業をされた川島先生の勇気はすてきだなあと思いました。

 また、授業とは別に、ある小学校の素晴らしい全校演奏も聞かせてもらいました。とても感動したけれど、「見栄えをよくするための指導」と「真に教育的な指導」のはざまで、かつて学校に勤務していた私も多くの葛藤を抱えていたことを思い出しました。学校は、今やとても複雑な場所になってきているんだということを再度実感した感じです。そうして、シンプルに「教育」と向き合うことができる自分の現在を、改めてかみしめる思いでした。
by emispiral | 2006-11-11 23:30 | らせん式日記

水戸 恵藍舎だより


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